Galerie GEEK/ARTは、アーティスト・TAKERU IWAZAKIによる個展『FREEFORM』を開催します。
本展は、人為的な介入と、自然が本来持つ自由な本質との繊細なバランスを掘り下げ、予測不可能な美しさと、自然の営みに宿る根源的な自由を称えます。

IWAZAKIは、川の蛇行や樹木の分岐といった自然の流動的な形態からインスピレーションを得て、生命の有機的な流れや、ダイナミックな運動性を表現します。
これらの形態は、常に変化し、予測できない自然の本質を反映しており、IWAZAKIはそれを通じて、創作における秩序と混沌の交差点を探求しています。

今回の展示では、彼の代表的なシリーズ「ORGM」から、新作《ORGM_07》を中心に紹介します。
この作品は、描き出したパターンを紙に転写し、それを自由に折り、その形状をiPadで再描画したうえで、オリジナルの木製パネルに再構成するというユニークな手法で制作されています。複数の木製パネルを重ねた立体的な構成が特徴で、質感と密度のコントラストにより、空間の中で圧倒的な存在感を放ちます。

現在、気候変動や生物多様性の喪失、資源の枯渇といった課題が世界的に深刻化するなかで、「自然を支配する対象」としてきた近代以降の人間中心主義的な視点は、あらためて見直されつつありま
す。
アジア、とりわけ日本やインドに根付く「自然と共にある」感覚や思想は、そうした現代の転換期において新たな価値をもつものとして注目されはじめています。

そして本展が、私たち日本人が国際社会の中で果たすべき役割について、改めて考えるきっかけとなることを願っています。