
/PAST EXHIBITIONS
India Art Fair
'Medium as the Muse'
2025/01/27 Mon. ~ 02/09 Sun.
Venue: NSIC Exhibition Grounds Okhla, Phase II
New Delhi, Delhi, 110020, India.
Booth No.
J-01

/Medium as the Muse
India Art Fair
Galerie GEEK/ARTは、2024–25年のコンセプトとして『Medium as the Muse』を発表します。
本企画は、第16回インド・アート・フェア(India Art Fair)にて、GOMA、ハルシャ・ドゥルガッダ、伊藤真理、山本基、パナパン・ヨットマニー、SHUN SUDO、ターニ・セティの7名のアーティストによって展開されます。
『Medium as the Muse』は、アーティストが自身の選んだ「媒材」といかに向き合うかを探ります。
媒材は、きっかけであり、協働者であり、インスピレーションの源となります。顔料、墨、木材、金属、セメント、和紙――それぞれが独自の物質言語を通じて、かたちと本質のあいだに動的な対話を生み出します。
重層的な表面、彫り出された質感、繊細なパターン、流動的な構成。
それらは、創造と物質性への深いまなざしを照らし出します。
/Medium as the Muse
Artists
パナパン・ヨドマニー
B. 1988 in Nakhon Si Thammarat, Thailand
パナパン・ヨドマニー氏は、タイ現代美術を代表する作家のお一人です。彼女の芸術的探求は、ワット・カー・ピエット寺院における伝統美術と壁画修復の経験から始まりました。その後、バンコクのシラパコーン美術大学でインスタレーション、パフォーマンス、映像などを学び、多様な現代表現へと展開してまいりました。作品は、拾得物や岩、鉱物、描画要素を組み合わせた没入型の構成によって、東洋と西洋の文化的影響を融合し、精神性を喚起する空間を創出しています。現在はバンコクを拠点に活動しており、ロンドンのサーチ・ギャラリーやバンコク・アート・アンド・カルチャー・センターなどでも高い評価を得ております。
2016年には、仏教的宇宙観と現代技法を融合したインスタレーション《Aftermath》により、シンガポール・ビエンナーレにてベネッセ賞を受賞いたしました。その後も、《The Last Day》(2018)、《Quarterly Myth》(2019)といった代表作で、時間・記憶・神話をテーマに表現を続けております。作品はシンガポール美術館やクイーンズランド州立美術館などに収蔵されております。
SHUN SUDO
B. 1977 in Tokyo, Japan and currently in Tokyo & New York
SUDO氏は、絵画、彫刻、ドローイングなど多様なメディアを駆使する現代アーティストです。東京で育ち、日本の伝統文化と都市のストリートカルチャーの双方から影響を受けてこられました。作品の主なテーマには、「つながり」「平和」「愛」などがあり、芸術と身体性の関係についても探究しておられます。20代で渡米し、独学で技法を習得された後、世界各地を旅された経験が、作品世界に独自の深みをもたらしております。スケートボード、グラフィティ、マンガ、アニメなどのポップ/ストリートカルチャーと、日本の墨絵や日本画の要素を融合させ、調和と異質性が共存する美学を構築しておられます。
彼の作品はポップアートの系譜にも通じつつ、現代社会や政治への批評性をも内包しており、「ハイ」と「ロー」の境界を軽やかに超える視点が特徴的です。
GOMA
B. 1973 in Tokyo, Japan
GOMA氏は、ディジュリドゥ奏者・画家として国内外で知られ、伝統と現代性を融合する芸術実践によって高く評価されております。1998年にはオーストラリアのバルンガ・ディジュリドゥ・コンペティションにて、非先住民として初の優勝を果たされました。帰国後は「ジャングル・リズム・セクション」を結成し、ダンスとワールドミュージックを融合させた革新的な表現を展開してこられました。2009年の交通事故により重度の脳外傷と前向性健忘を負いましたが、その体験が絵画制作のきっかけとなりました。2018年には後天性サヴァン症候群と診断され、昏睡中に視覚化された風景を点描によって表現されるようになりました。
2011年には音楽活動を再開され、受賞映画『フラッシュバック・メモリーズ3D』によって再び注目を集めました。その生き方はテレビでも紹介され、多くの人々に感動を与えております。
伊藤真梨
B. 1980 in Tokyo, Japan and currently based in Barcelona, Spain
伊藤真梨氏は、日本画を基盤としながら独自の色彩感覚と造形力を活かし、2次元・立体表現を展開している現代アーティストです。2006年に渡西されて以来、バルセロナを拠点に制作を続けておられます。幼少期の記憶やアニミズム的な世界観、人間の欲望や本能をテーマに、ユーモアと感情を織り交ぜたモチーフによって観者に問いを投げかけておられます。バルセロナ、バーゼル、イスタンブール、ニューヨークなど各地で展示され、とくにカサ・ビセンスやマドリード王立植物園での展示は話題となりました。
また、パリ、香港、シンガポール、マイアミ、東京などのアートフェアにも参加され、2023年にはARCOマドリードで注目アーティストにも選ばれております。ブランドとのコラボレーションも積極的に行っており、アートとカルチャーの橋渡しを試みておられます。
山本基(Motoi Yamamoto)
B. 1966 in Onomichi, Hiroshima, Japan and currently Based in Kanazawa, Ishikawa, Japan
山本基氏は、「記憶」「時間」「追悼」といったテーマを扱うインスタレーション作家として国際的に知られております。日本文化において清めや記憶の象徴とされる「塩」を素材とし、亡き魂の記憶をたどるような繊細な迷路状の作品を制作しておられます。その制作は儀式的かつ瞑想的であり、人生の儚さや集合的記憶への思索を観者に促します。1995年に金沢美術工芸大学を卒業されて以来、国内外で精力的に活動を続けてこられました。塩による作品のほか、アクリルや鉛筆を用いた平面作品も手がけておられます。
MoMA PS1(ニューヨーク)、エルミタージュ美術館(ロシア)、東京都現代美術館、瀬戸内国際芸術祭などでの展示を通じて、高い国際的評価を受けております。
タリニ・セティ(Tarini Sethi)
B.1989 in New Delhi, India
タリニ・セティ氏は、親密さ、性、神話を主題にした表現を展開する現代アーティストです。カリガート絵画やミニアチュール、カヴァッド、トール・ボンマラタなど、インドの伝統美術や民話からインスピレーションを得て、絵画・ドローイング・金属彫刻など多様なメディアを用いた夢幻的な作品世界を創出しておられます。Architectural Digest Indiaなど多数のメディアで紹介され、ムンバイ・アーバン・アーツ・フェスティバルなどでの展示歴もございます。精神的課題、政治的懐疑、環境へのまなざしを含みながら、人間と動物の境界を曖昧にするハイブリッドな存在たちを描き出しておられます。
作品ではジェンダー、美、アイデンティティへの固定観念を批評し、「身体」を主体性と解放の器として位置づけています。セティ氏の作品は、境界が溶け合うユートピア的空間を想像させ、自由と変容の可能性を観者に提示しています。
ハルシャ・ドゥルガッダ(Harsha Durugadda)
B. 1989 Hyderabad, India
ハルシャ・ドゥルガッダ氏は、彫刻とパフォーマンスアートを通じて、音、振動、リズム、分離といったテーマを探求するマルチメディア・アーティストです。ハイデラバードを拠点に、鑑賞者との身体的・感覚的関係性を通じて、形式と経験の境界を問い直すインタラクティブな作品を制作しておられます。主に木材を使用し、中世・近代建築からの引用を通じて、過去と現在、地域性と個人性、物質と精神の往還を図る彫刻表現を行っております。彫刻は地層のような構造を持ち、共生や変容、時間を超えた存在のあり方を示唆しています。
WLCカレッジ(デリー)でヴィジュアル・コミュニケーションを学び、JNU(ネルー大学)で芸術と美学を修められました。ノルトアート(ドイツ)、CICA美術館(韓国)、Sculpture by the Sea(豪州)、Art Centrix Space(デリー)などで展示歴があり、2014年には大英博物館(ロンドン)でのプレゼンテーションにも招待されました。
リオ・ティント彫刻賞(2017)、ビアファリン賞(2018)、アンドレア・ストレットン記念賞(2016)など、多数の受賞歴がございます。彼の作品は、彫刻という形式に新たな解釈を与え、素材・空間・相互作用の詩学を探るものとなっております。